「小学生にどうやってお小遣いをあげればいいの?」このようにお小遣いの渡し方について困っていませんか。
小学生はまだ「自分で決める力」が弱かったり、「欲しいモノに優先順位をつける」ことがヘタクソだったりします。だから共通ルールでその力をつけていくことが必要です。
お金の管理は大人になれば自然に身につくものではありません。子供のうちから学ぶことで経済的自立を早めに意識させられます✨
小学生のうちからお金の扱いを知れば、金額の範囲内で「欲しいもの」と「いらないもの」を自分で決めていく力を徐々に身につけられるでしょう。
当記事では以下のことが分かります。
- 小学生にお小遣いを渡す理由
- 5つのお小遣いの渡し方
- 子供と作る共通ルールと親の心構え
- お小遣いの実態調査
これから子供にお小遣いを渡そうと考えているのなら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
小学生にお小遣いをあげる理由
子供にお小遣いを渡す理由を親がしっかり認識しておきましょう。
親は子供の欲しがる想定範囲内なら、ある程度買ってあげられるでしょう。では、何のためにお小遣いを渡すのでしょうか?お小遣いをあげる理由を一緒に考えてみましょう。
使ったらなくなる感覚を身につけるため
お小遣いを渡すことで次のことを学ぶでしょう。
お金は使ったら、なくなる
お小遣いを渡すことで、「お金は無限にある」という感覚はなくなります。大人にとって当たり前の感覚ですが、子供にとって「お金は好きなものを買うために必要」としか認識がありません。だから、お小遣いを渡します。
時代の流れで大人の支払いのほとんどは電子マネーだけど、子供は生身の現金でお小遣いを渡してるよ~。「なくなる」のを感覚で知ってほしいからね✨
自分で決める力を養うため
お小遣いを渡すことで次のことを学ぶでしょう。
- お小遣いの範囲内で何を買うか
- 欲しいモノの優先順位を決める
お小遣いを渡して自分でお金を管理するようになれば、その範囲内で自分の欲しいものに優先順位をつけて、選んで決めていくことになります。
子供の使い道に口出ししたくなるけど、ちょっと待って!口出しはしない方が子どものため。理由は、下の親の心得を読んでみてね。
何を選んで何を選ばないか、このような「物事を決めていく力」は、お金だけでなく人生のあらゆる選択肢にも共通します。小学生のうちから学んでおいて損はないでしょう。
5つのお小遣いの渡し方
小学生のお小遣いの渡し方には、大きく5つあります。
- 定額制
- 報酬制
- 申告制
- 定額制+報酬制
- 定額制+申告制
おすすめは「定額制+報酬制」✨固定給+ボーナスなイメージかな
個人的に「定額制+申告制」というやり方はおすすめしていません。その理由を含めて説明します。あなたの家庭に合った方法を考えてみましょう。
定額制
渡す時 | 渡す金額 | イメージ |
---|---|---|
毎月決めた日 | 毎月決めた金額 | 会社員の固定給 |
定額制は、お小遣いを、毎月決まった日に決まった金額を渡す方法です。定額制は会社員が給料をもらうイメージをすると、分かりやすいでしょう。
デメリットは、何もしなくてもお小遣いがもらえることです。「仕事をしてお金を得る」という感覚が湧きづらいでしょう。
たとえばゲームソフトが欲しいなら「ゲームソフトとは〇〇円。〇ヶ月分のお小遣いね。」など欲しいものを手に入れる計画を一緒にすると楽しいよ
報酬制
渡す時 | 渡す金額 | イメージ |
---|---|---|
決めたルールを達成した時 | ルールによる | 自営業 |
報酬制は、お手伝いや勉強、スポーツなど、子どもが何かを頑張ったら報酬としてお小遣いをあげる方法です。さぼれば報酬はもらえないし、頑張ればもらえるため、自営業のイメージに近いですね。
「お手伝いしてほしい」「習い事にやる気を出してほしい」など、親としても頑張ってほしいことがある場合、お小遣いを引き合いに出せば、子どものやる気を引き出せるでしょう。子どもは、自分の役割を知り、仕事をすればお金をもらえる感覚を体験します。
ただし、報酬制には落とし穴があります。「お金がもらえないなら、やらない」という感覚に子供がなってしまう可能性もあります。
最初のやる気は引き出せても、お金をもらうことがすべての動機になると、本当の目的を見失い物事は続きません。
自分の価値観を押しつけていないかな?子供の意見にも耳を傾けたあとに、自分の意見も言うことが大切。真ん中のルールを探してみよう!
ちなみに、「すべての動機をお金をもらうこと」にしたいために、タイムラグでお小遣いをあげる方法もあります。頑張ったことは、メモするなりポイント制にするなりして、貯まったらあげる方法です。時間差があれば、本来の目的を見失う可能性は低くなるでしょう。
申告制
渡す時 | 渡す金額 | イメージ |
---|---|---|
子供の申告時 | 親が決めた金額 | 仕送り |
申告制は、必要なときに、必要な金額だけ申告して、その分を渡す方法で、子供のお金の管理を親の管理下に置けます。子どもの申告で渡すとはいえ、最終的に渡す金額を決めるのは親です。小学生低学年以下や性格的にお金の管理がまだ早いと思う場合は、この申告制がよいでしょう。
ただし、この方法では、お金のありがたみやお金の計画性が身に付けられません。ある程度、お金を扱える年齢になったら、他の方法に切り替えるとよいでしょう。
正常な金銭感覚を身につけることは、何を選び何を選ばないかという判断ができること。精神的に幼いと「選ばない」という選択肢は難しいでしょう。親子で会話しながら少しずつ身につけましょう。
「定額制+報酬制」
渡す時 | 渡す金額 | イメージ |
---|---|---|
毎月決めた日+決めたルールを達成時 | 毎月決めた金額+α | 会社員の固定給+ボーナス |
「毎月決まった金額のお小遣い」+「勉強・お手伝いで頑張った分の報酬」を渡す方法は、会社員でいうと固定給+ボーナスに似ています。
個人的には、この方法を1番おすすめしています。
報酬制を取り入れることで、「仕事をしてお金を得るって大変なことなんだ!」と定額制のデメリットをカバーできます。
「定額制+申告制」
渡す時 | 渡す金額 | イメージ |
---|---|---|
毎月決めた日+子供の申告 | 毎月決めた金額+α | 会社員の固定給+仕送り |
「毎月決まった金額のお小遣い」+「子供の申告で渡すお金」の場合、子どもの欲しいものはすべて手に入るようなものです。この方法では、お金の大切さが分からないだけでなく、金銭感覚も身に付きません。
こちらは、「定額制+申告制」のデメリットです。(親が渡す金額のさじ加減によります)
- 「お小遣いが足りなくなったら、親に頼もう」という考え
- 欲しいものを我慢できない
- 計画的にお金を使えない
大人になったとき、どうなるのか怖い
計画的にお金を使う感覚を身につけておかないと、大人になって必要時にローンを組む場合に苦労することになります。自動車ローン・住宅ローンなど、必要であれば上手に借りることも人生プランの中で出てくることもあるでしょう。
ところが、無計画にお金を借りてしまうと苦労することになります。親として、子供に計画的にお金を使うことを覚えさせる第一歩として、お小遣いの範囲内で何にお金を使うのかを決めることを教えていきましょう。
お小遣いの共通ルールと親の心得
お小遣いを渡すときの共通ルールを子供と決めておきましょう。家族とはいえ、お金に関するルールをしっかり決めておかないと、トラブルの元になります。その上で親として心得ておくことも伝えますね。
子どもと一緒に共通ルールを決める
お小遣いを渡すと決めたら、まず子供と一緒に共通ルールを作りましょう。下記に話し合う項目をまとめたため、参考にしてください。
- 定額制?報酬制?申告制?
- お小遣いの金額は?
- 誰からもらうのか(父?母?)
- 現金?電子マネー?
- 親のお金で買うものは?(勉強・部活などで必要なモノなど)
もしかすると、子供は親に「あれ欲しい」とお小遣いを渡す前のように頼んでくるでしょう。子どもの言われるままに好きなものを買ってしまっては、お小遣いを渡す意味がありません。
共通ルールを決めて約束事を守るうちに、お小遣いの範囲内で何を買うのか、何を諦めるのか、少しずつ学んでいくでしょう。最初は(仮)でルールを決めておき、不都合なことがあれば、家族で話し合いをしてルールを変えていく感じでOK!
最初から、がちがちにルールを決めない方がいい!やりやすい方法を家族で見つけていこう!
共働きであれば、夫は夫、妻は妻、それぞれでお金の管理をすることが当たり前になってきましたね。家族でお金のことを共有していくことで、「信頼しているよ」と伝えることにもなります。親子のコミュニケーションの一貫として、お金の話ができるとよいですね。家族内でお金の話をオープンにするほど、子供にとってお金を学ぶ機会にもなり、家族の結びつきが強まっていくでしょう。
決めた共通ルールを1度はやり抜く
一度決めた共通ルールを1ヶ月はやってみましょう。その共通ルールを守った上で改善点が見えてきます。もしかすると、このような子供の不満が出てくるかもしれません。
- 電子マネーの方が扱いやすい
- このお小遣いの金額では足りない
- ゲームに課金したいときはどうすればいいの?
このようなときこそ、話し合いをしましょう。子供の言い分を聞いた上で、親としてここは譲れないと思ったことは伝えましょう。
お小遣いが足りないのであれば、お小遣い帳をつけて見える化する、欲しいモノの優先順位を一緒にかんがえるなど、今のお小遣いの金額内でどうにかする方法を一度は考えてみてください。
欲しいモノに優先順位をつけるのは、最初からできません。一緒に考えてあげましょう
子供の使い道に口出ししない・否定しない
お小遣いの金額を決める上で意識したいことがあります。
- 親が口出ししたくなるほどのお小遣いの金額を渡さない
- 無駄遣いや失敗が許される範囲にする
基本的に、お小遣いの使い道に親は口出ししません。買った後に「そんな無駄遣いして」と否定するのも子供にとって悲しいものです。
変なおもちゃとか、使いづらそうな文房具とか、まずそうなお菓子とか……大人の感覚でいえば子供は無駄遣いばかり!だけど、見方を変えれば「試してみる」って感覚は大切✨
大人の感覚でお小遣いの使い道に口だししたくなるのも分かりますが、子供が自分のお金で好きなものを買う体験も大切です。大人としてアドバイスしたくなったら、「アイ・メッセージ」で伝えましょう。
「(あなたは)買わない方がいいよ」というユー・メッセージは、文句や強制されているように思われるため、「私は買わない方がいいと思うけど、あなたはどう?」と相手に配慮しつつ自分の意見を伝えられるアイ・メッセージを意識すると誤解を生みません。
本来お小遣いは、子どもが自由に使うことで、金銭感覚が身についていくもの。見守る私たちは少し我慢して温かく見守りたいですね。
お小遣いの失敗は積極的にさせる
子供は失敗することで学んでいきます。以下は、子供が失敗したと思っている可能例が高いでしょう。
- 買ったものをあまり使わなくなった
- 使いたい時に、財布の中身がほとんどなかった
- 〇〇を買ったせいで、△△が買えなかった
親として疑問を投げかけてみましょう。注意することは、失敗した前提で話さないことです。子供の口から「失敗した」と話すまで、失敗ではありません。
- 最近使ってないのはどうして?
- 財布の中身がないのは、何を買ったから?
- ○○より△△の方が買いたかったの?
ここで大切なことは、子どもに考えさせること。失敗と思っているのなら、失敗を一度認識した上で、次はどうすればよいのか、自分の考えで話すと失敗が学びに昇華できます。
「次はこうしよう」と考えるのは子供。親は質問して促していこう~
失敗が許されるのは、お小遣いだからです。子供が自分で稼ぐようになってから金銭感覚を身につけるようでは遅いと、個人的に思っています。今のうちに、盛大に失敗して後悔して、次に活かしていきましょう。(親は見守りましょう~)
友だちに貸さない・借りない
お小遣いの共通ルールとして、絶対に入れた方がよいことは「友だちに貸さない・借りない」こと。
小さい金額でも、お金はお金。金銭トラブルは、後々の人間関係に悪く響く恐れがあります。そのため、最初から共通ルールとして、友達にお金は貸さない・借りないと決めておきましょう。
小学生の実態調査〜いくらもらって何に使ってる?~
他の家庭のお小遣い事情、気になりませんか?小学生のお小遣いの平均とその使い道について調べてみました。
お小遣いの平均額は?
小学生の平均的な小遣いの金額を調べてみました。
※参照:(株)バンダイ「小中学生のおこづかいに関する意識調査」 結果
お小遣いの使い道は?
子供たちのお小遣いの使い道ランキングを調べました。
※金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)」2015年度
「自分で決める力」を育てるための共通ルール!
小学生にお小遣いを渡すと、自分でお金を管理する中で「自分で決める力」が育っていくでしょう。自分で決める力を育てるために、次の5つを意識しましょう。
- 子供と一緒にお小遣いの共通ルールを決める
- 決めた共通ルールを1度はやりぬく
- 子供の使い道に口出ししない・否定しない
- お小遣いの失敗は積極的にさせる
- 友だちに貸さない・借りない
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